35歳のおっさん@テレビドラマと生きる。

ドラマがないと生きていけない。好きなドラマを褒めて褒めてほめまくります。 #朝ドラ #木皿泉 #坂元裕二

【オススメ映画】万引き家族【是枝作品ナンバーワン】

是枝恐怖症に陥っている皆さん。是非、もう一度だけチャレンジを。



是枝さんの作品って、なんでかわかんないけど期待値だけは確実に高まる。
でも正直、見て、面白かったー、とはなりにくい。途中で寝てしまうこともシバシバ。
それなのに、新作やってるとなると、期待がムクムク。摩訶不思議。


でも大丈夫。
今回はいけます。今までと違う。


以下、ネタバレあり。



オススメ① 物語

子供に平気で万引させちゃうような、モラルの低い人達の話。


家族全員がマイルドヤンキー。アバズレ。アウトサイダー。犯罪者。


にもかかわらず、なんか楽しそうで、狭い空間でくっつきあって生活してる。
だからってベタベタするわけでもなく、絆を声高に叫ぶわけでもない。


なぜなんだろう。


世の中からはみ出すことよりも、モラルをおかすことよりも、世間から白い目で見られることよりも、
この人達が大切にしてるものって何なんだ。


オススメ② キャスト

みんな他の作品では見せられない表情、全開。


好きなキャストが出てるのなら、その人の今まで見たことがない表情を見たいなら、絶対に見たほうがいい。


リリイフランキー、安藤サクラ、樹木希林。
なんの違和感もなく”底辺”という言葉を連想させる。
世代別ダメ人間の代表例のよう。


そしてJK役の松岡茉優。いい感じの体当たり。
そこにぶつかる池松壮亮。セリフ無し。


池脇千鶴、高良健吾の”正しい”役も、絶妙。


オススメ③ 音楽


細野晴臣による感情の終わりに色をつけるような音楽。
過剰な表現はせず、ほんとに映像の補助にちょっとだけ。
だからこそ現場の音が引き立って、ナマナマしい。



印象的なのはエンドロール。
ものすごく素っ気ない。飾り気がい一切ない。ワードで作ったの?と思うような。


そこから推測すると。
もしかしてスポサンサーがついてないのではないか。だって万引きを推奨するような映画、資本主義の敵やし。


だからこそカンヌをとったような気もする。


おかげで、これまでのように商業主義に汚されることもなく、監督の想いがそのまま映画にできたのかもしれない。


次回作も是非このスタイルで。